AutoCADの図面範囲の考え方

全てのCADに共通の、基本的な図面範囲、尺度の考え方

 他CADからの乗換組も含め、AutoCAD初心者に絶不評(笑)なのが、図面範囲と縮尺の考え方です。しかし縮尺に対する基本的な考え方は実はどのCADでも同じで、AutoCADがことさら、解りづらいという訳ではないので、まずはその基本を再確認しておきましょう。

  • CAD上の作図範囲は基本的に無限の広がりを持っています。世界地図だって、原寸で入ってしまいます。
  • ただし、それを「印刷」するときは、紙の大きさに合わせそれなりにぎゅーっと縮小して打ち出します。これがいわゆるその図面の「縮尺」になる訳です。世界地図をA3程度の紙に縮小して印刷したければ1:128,000,000くらいの縮尺になります。
  • CAD上の長さの単位は基本的にmmです。

AutoCADでは?

 上記の考え方はどのCADでも同じです。なのに、なぜ「AutoCADの縮尺は解りづらい」と言われるかというと、他のCADでは上のような作業を、お手軽簡単操作で自動でやってくれるものが多いからです。
 CADオペは縮尺と紙の大きさを選ぶだけ。それだけでCAD上における「紙の大きさ」が自動で示される、と、そんなCADが多い中、AutoCADはまず自分で、モデル空間における”紙の大きさ”を考えなければならないのです。

 例えば、A1の紙のサイズは「594mmx841mm」。AutoCADでA1で1/100の縮尺の図面を描きたかったら、まずはこの「594mmx841mm」の100倍の四角を描いて、その中に図面が収まるように描かなければなりません。つまり「59400x84100」の四角をまず描く、という事になります。

A3版の紙の大きさ

 以下はA版の紙の大きさです。実際の作業の際の参照にどうぞ。

A0 841x1189
A1 594x841
A2 420x594
A3 297x420
A4 210x297

A3版のテンプレート

管理人作成の各縮尺ごとのテンプレートファイルもダウンロードできます。こちらからどうぞ。

他人の作った図面の縮尺って・・・・?

 そんな訳で自分で最初から「作る」ときは、まず縮尺なりの紙の大きさをかけばなんとかなるのですが、他人様の作った図面ファイルを受け取ったときは、まず、その方が「どのサイズの紙を使って、いくらの縮尺で描いたのか」を把握しなければなりません。実はそっちの方がよっぽどややこやしい作業です。

例えば漠然とこんな図面ファイルを渡されたところで、どのサイズの紙でいくらの縮尺で作ったのか「???」です。


他の人が作った図面の、尺度を探る

 そこでまずは「紙の大きさ」らしき外枠を計測します。
「5940x8400」ですから、A1サイズで1/10か、A3サイズで1/20?くらいにはわかります。

 ここで「寸法」をひとつ、どこか適当なところへコピーして「分解」すると、そのどちらかなのか、大体、見当がついてきます。「寸法」の数字は、大抵、打ち出したときに2.5mmか3mmで描かれているからです。

 今、分解した寸法の数字の「高さ」をオブジェクトプロパティのパレットで確認すると、「60」でした。と、いうことは、この図面は1/20で描かれた、と推測できますので、上での計測と合わせ、「A3サイズで1/20」という答えが導き出せるのです。


 ためしに「A3」、その枠を窓指定し、印刷設定すると、ちゃんと「用紙にフィット」で「1/20」に近い数値が出てきます(このへんは「事務職編」も参照して下さい)。

図面範囲・考察