ペーパー空間よりオススメ、モデル空間で異尺度を描く”力技”

 ひとつの図面に異なる尺度を持つ図形を描く場合、AutoCADでは「ペーパー空間」という機能が用意されています。いつもの作業画面の下に「モデル」とか「レイアウト」とかいうタブが出ていますが、これの「レイアウト」というのが「ペーパー空間」の領域です。

 このペーパー空間については上級編でやりますが、個人的にはおススメしない機能です。なぜなら、AutoCAD独自の機能すぎて、他CADに渡すことがまったくできないからです。AutoCAD同士ならDXFに落としてもペーパー空間の機能はそのまま渡りますが、他CADで開くと、大抵、訳の分からないことになるか、開けないかのどちらかです。土木CADでお使いの方は、最近はCALSで頭を痛めていることと思いますが、他CADに渡らないものが、もっちろんCALS化なんて出来ません。

 そこで、仕方ないので、モデル空間で図形を拡縮して、むりやり描くことになります。ここでは、その場合のなるべく簡単なやり方を研究してみたいと思います。

 図ではとても見づらいのですが、ある部分の「詳細図」を黄緑の丸のあたりに描いてみましょう。

 現在の全体の図面尺度は1/400。詳細図は1/100で描くとします。


 まずは、詳細図にする部分の構造物を、コピーして配置する位置にもってきます。

 その位置で、「1/400」の中に「1/100」の縮尺で入れる訳ですから「400/100」=4倍、に拡大します。拡大縮尺のコマンドは のアイコンか、「修正(M)」→「尺度変更」で入れます。

 例えば「1/200」に「1/100」の図形を入れたいなら「200/100」倍。「1/50」の図形を入れたいなら「200/50」倍。拡大をかけた図形を元に戻したいなら、その逆の「100/200」なり「50/200」です。


 さて、ここまでは大してワザもないただの作図な訳ですが、この状態からが問題です。詳細図ですから、上の4倍に拡大した図形に寸法を描かなければなりません。

 今の寸法スタイル(400)でそのまま描けば、このように、もちろん「4倍」の数値になります。

 正しいオブジェクトの寸法は「1000x1470」なので、オブジェクトプロパティパレットの「寸法値の上書き」で、数字だけ書き直すこともできますが、寸法スタイルの「計測尺度」の設定で、自動的に測った距離を1/4にした寸法値を描かせる事もできます。


 まず「寸法スタイル管理」を開きます。

 今の寸法スタイル「400」は、既に使用中なので、このスタイルを変える訳にはいきませんから、詳細図用の新しいスタイルを作りましょう。

 「400」を元にして作れば、文字高や矢印大など、いちいち、設定する必要もないので、簡単です。「400」を選択した状態で「新規作成」ボタンを押して下さい。


 このようなボックスが出てきます。新しいスタイル名のところには、まず「コピー-400」と入ってきますから、「400」のスタイルのコピーを変更しようとしている事が分かると思います。

 名前はお好きな名前をつけて頂いていいのですが、ここでは「400-100」とつけてみます。


 先に説明したように、文字高や矢印サイズは「400」で既に設定済ですから、ここで変更するのは「基本単位」のタグに入っている「計測尺度」です。デフォルトで「1」で入っている数値を、ここでは「100/400」と入力してやります。入力すると自動的に「0.25」と、少数に変わります。

 ここの数字はつまり、「実際に測定した数値に掛ける値」という訳です。

 例えば1/200図面に1/50の詳細図を描きたいときのこの「計測尺度」の設定は「50/200」、1/500に1/30詳細図なら「30/500」です。(深く考えず、そういうものだと思っておいて下さい・・・・)


 変更する必要はないですが、もう一カ所、確認してみましょう。「フィット」のタグの中の「寸法図形の尺度」が、今の図面、全体の尺度、1/400の「400」が、ちゃんと入っています。

「全体の尺度」は、モデル空間で使用の場合は、必ず用チェックです。

 確認したら「OK」ボタンを押し、設定完了です


メモ

 非常にわかりづらいあたりではありますが、上の「寸法図形の尺度」という項目の数値は、「寸法スタイル管理」で設定される各数値にかかってきます。通常、1/400図面で文字高を3mmで書きたいと思ったら、文字の高さは1200で書きますが、寸法だけは、ただ「3」にしておけば、勝手に打ち出し時3mmの文字高で書かさってきますよね?それは、この「寸法図形の尺度」の数値をAutoCADが掛けて書いてくれているからです。ためしに、寸法オブジェクトを分解して、ただの「文字」にしてしまえば、その「文字高」は、ちゃんと「1200」となっているはずです。

・・・まぁ分からなければ、ここのところは深く考えなくても、「1/400なら”400”」と入れる、と覚えておいて下さい。そしてその状態で、文字高「3」や矢印サイズ「1.5」の設定で、正しく、打ち出し時に「3mm」、「1.5mm」となるようになっています。

たまに、ここの設定をデフォルトの「1」にしたまんま、文字高設定を直接、1200とかにして寸法設定を作るオペレーターもいますが、管理人的には余り好かないです(笑)。・・・・単なる好みかも知れませんが(笑)


 さて、さっそく新しく作った「400-100」の寸法スタイルで書いてみましょう。ちゃんと自動で計測値の1/4で、数字を書いてくれます。

 位置や小タイトルを整え、仕上げます。

〔考察〕寸法スタイルの名前のつけ方

 寸法スタイルの名前はもちろん何でもいいので、皆さん、色々な名前で設定されている事と思いますが、管理人は上記のように、

  • 全体の元尺度が1/400のとき、元尺度の寸法スタイルの名前 = 「400」
  • その中に入れる、1/100の寸法スタイルの名前 = 「400-100」

 という具合に、最近はつけています。最初は「400-100」とかでなくて、単に1/100なら「100」とつけていたのですが、他図面にコピーしたときにそこに元々「100」という名前のスタイルがあると、その元々あるスタイルの設定にもってきた図形の寸法も変わってしまうので・・・

 ←何と言うか、こんなことになってしまう訳です・・・・。

 どのみち、こういう場合は寸法を直さなければならないのですが、自分がわかりやすいように「400-100」とかいう具合に、最近は名前をつけることにしています。


モデル空間で異尺度を描く

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