ダイナミックブロックの保存について考える
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例えば←のような図面があって、図で示したドアの部分だけをダイナミックブロックにしたいと思っても・・・ |
ダイナミックブロックのブロックエディタには、「現在の図面」を丸ごとブロックにする機能しか付いていません。これは今後、改良されるのではないかと思いますが、取りあえず、LT2007が出た時点ではそういう事になっています。
そこでここまでのページでも「既にある通常ブロックをダイナミックブロックにする方法」を紹介してきました。ブロックエディタで図面のデータの一部だけをブロックにできないなら、それが現実的な作業方法になります。でも、「読み込む」「使う」場合は それでよくても、「保存」の場合はどうでしょう?
例えば、今までの通常ブロックだと、上図のようにWBLOCKコマンドで図面の一部をDWGファイルとして書き出し、使う時もそれを読み込んで使う、という保存方法、利用の仕方も有効だった訳です。
でもDWGファイルからブロックとして読み込んだデータを、AutoCAD上でダイナミックブロックに変え上書き保存しても、それは当然、「その図面ファイルのブロック定義を上書き保存した」だけにしかならず、元のDWGファイルには反映しません。かと言って、今までのように気軽に「再度書き出し」が出来ないんです。
と、なれば?
となれば当然、今後、ダイナミックブロックを使っていく過程では、WBLOCKを利用した「DWGファイルとしてブロックを貯める」方法ではなくて、1枚の図面ファイルにブロックを詰め込んで、その図面とのコピーペーストでブロックを使っていく「ブロックライブラリ方式」が有効になると思います。
私自身は今まで圧倒的にWBLOCK方式支持でしたが、これも時代の流れ(笑)致し方なし、と言うところです。
AutoCAD初心者の方には↑非常に分かりづらい話で申し訳ありません。最初のページでご紹介したとおり、このAutoCADのブロックの利用の仕方をどう考えるかに関しては、有料マニュアルのサンプルページにもっと分かりやすい説明を載せておりますので、ぜひ参照されてみて下さい。 (無料で閲覧できます)
ところで、ダイナミックブロックだと寸法を含めてもOK!
さてさて。前の尺度変更アクションのブロックで何気なく使っていますが(笑)、ダイナミックブロックに寸法を含めた場合、
今までと違って変形にともなって寸法の数値も変わる(!)ので、寸法ごとブロックにするという夢の操作がいよいよ、実務でも可能になった訳です。
でも、場合によって(例えば全体図でそのブロックを”部品”として使う場合)寸法は非表示にしたい場合もありますよね。
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そんな場合はブロックエディタで寸法だけに「可視パラメータ」を設定すればOKです。これもやり方はワークショップに分かりやすく出ていますので、参照して下さい。 |
寸法の場合には、寸法だけをそれ専用のレイヤに描いておいてからブロック化し、レイヤの操作で表示、非表示を切り替えるのもいいと思います。でもどちらかというと、パラメータを使う方が個別対応可能なので、その方が楽です。