フィレットと面取り

 例えば一番左のような図を描くのには、その隣の図のように、接する円を描いてトリムすればできます(この場合は赤い部分をトリム)。
 接円の描き方はもう解ると思いますので、皆さん、これ自体は難なくできる作業でしょう。

 しかし、この「角を丸く落とす」という作図の仕方、図面にはよく出てくるので、いちいち接円→トリムでやらなくても、一発でできるコマンドが用意されているんです。
 今回はそのやり方をやっていきましょう。


フィレットの基本のやり方

 角を丸く落とすコマンドは「フィレット」と言うんですが、基本のやり方はごく、シンプルです。


フィレット、基本の流れ

1. のアイコンをクリック(またはコマンドラインから「fillet」を実行)
2. 丸めに使う円の半径を指定
3. 丸めたい角を構成する2本のラインをクリック


 ええ、基本はこれだけでOK。では、詳しくやり方を見ていきましょう。


 まず、のアイコンをクリックすると、上のようなメッセージがコマンドラインに現れます。
 ご覧の様に、デフォルトでは半径=0.0000になっていますので、さっそく「または〜 」の中から、「半径(R)」の「r」を選択し、Enterキーで実行します。

 「フィレット半径を指定」と出てきますので、今回は「50」にしてみましょう。

 コマンドラインで「50」を入力し→Enterキーで実行してから、図のように丸めたい角を構成している2本のラインをポンポンとクリックします。

 クリックし終わると同時に、丸めは完了します。

 フィレットコマンドはオプションを選ばない限りは単独コマンドなので、コマンドの終了処理を特にしなくても、これでOKです。


そっくりコマンド「面取り」

 フィレットにもそっくりコマンドがあって、”フィレット=丸く円で角を丸める”のに対し、そっくりコマンド「面取り」は”直線で角を落とします”。

 こんな感じですね。

 アイコンは
 コマンドラインからなら「chamfer」です。


 フィレットと違うところは、さっき「半径」を入力するために「r」をコマンドラインから入力したところを、「距離(D)」の「d」を入力することです。まぁ、円で落とす訳でないですから・・・当然、「半径」でなく「距離」になるんです。

 で、この↑ように、1本目の面取り距離、2本目の面取り距離、共に「50」で入力し、ラインをクリックすると、上図のように、それぞれのラインを「50」づつ切り取ります。

それぞれのラインを「50」づつ切り取る?

「d」を使って入力する距離は「それぞれのラインの切り取り距離」なので、例えばこんな斜めの線を切り取れば、こんな具合に切り取れます。

ちなみに
1本目の面取り距離=最初にクリックしたラインの切取り距離
2本目の面取り距離=次にクリックしたラインの切取り距離 となっています。


距離「0」が一番使える!

 この、面取りもフィレットも、距離、半径、それぞれ「0」の場合が、実は一番、実務の中で「使えます」。

 まず、こんな風に離れているライン同士でも・・・

 難なく実行可能な面取り(またはフィレット)ですが

 あえて距離「0」でこれを実行すれば、このように間のあいている2本のラインを、ちょっきり角でぶつけることが出来るんです!

 これ、実際の作業の中でものすご〜く使えます!同じことを別のコマンドでやろうと思ったら、それこそ「延長」で2本をそれぞれ延長しなければなりません。それより、この面取りの距離「0」を使う方が、特に心理的に楽なんです。

「距離0」で使う場合の、AutoCADのバージョンによる微妙な違い。

  • Ver2000までは、このフィレットと面取りのデフォルトでの「距離」は「10」です。
  • Ver2004以降は最初から「0」になりました。
  • Ver2006からは、最初から「0」ですし、途中で自分で距離を変えていても、Siftキーを押しながら実行すれば「0」でフィレット、面取りができます。

 面取りとフィレットに関しては、基本の使い方と、この「距離=0」で使うやり方さえ押さえていれば、後は知らなくてもいいくらいです!ここだけはしっかり押えて下さいね。


「え〜、できない!」そんな場合は・・・

 フィレットも面取りも、指定するオブジェクトの片方にだけZ方向に高さが入っていたりするとできません。
で確認できますので、高さが入っている場合は、ここを「0」にして、直して下さい。

 また、距離を0にして使いたい場合は、非トリムモードになっている場合も上手くいきません。こんな場合は、コマンドの途中で「t」→Enter、「t」→Enterと2回繰り返して直してしまって下さい(下図参照)。

 非トリムモードについて詳しくは、次のページからも解説しております。

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